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自社の価値に気付けば、採用は変わる。HAREが作る「組織の可能性」

採用支援の先に、企業が自走する仕組みを作る

「自社には魅力がある。そのことをきちんと認識し、発信できるようになれば、採用は変わっていく。クライアント企業に自分たちの価値を分かっていただき、 “やれる”という感覚を持ってもらうために、私たちは事業をしています」

そう話すのは、HARE株式会社代表取締役CEOの早川豪だ。福岡市博多区に拠点を置く同社は2024年3月の設立以来、採用や組織づくりに課題を抱える企業に対し、HR領域を中心とした支援を行ってきた。

HAREの支援領域は、採用戦略の策定から年間計画の設計、採用媒体の選定・運用、説明会やインターンシップの運営、面接支援、内定者フォローなど多岐にわたる。さらに、PRやデジタルマーケティング、CXO機能に関する支援も展開しており、採用活動を単体の施策としてではなく、企業の経営や組織づくりと接続してとらえている点に特徴がある。なかでもHAREが重視しているのが、採用コンサルティングと採用代行業務、内製化をかけ合わせた支援だ。

「企業にとっては、私たちが採用業務をすべて巻きとる方が楽かもしれません。けれども、それでは社内にノウハウが残りません。初期構築は私たちが担いながらも、数字の見方やPDCAの回し方、媒体の運用、学生とのコミュニケーション、面接改善まで、企業の担当者と一緒に進め、ひとり立ちできるようサポートします」

早川いわく、「支援開始から3年後には、私たちの存在を必要としなくなる状態」を目指す。1年目はHAREが採用業務の多くを担い、2年目はクライアントと半分ずつ進め、3年目にはクライアント側がより多く業務を持てる状態が理想だ。

「クライアント自身が採用を自走できる体制を築くことこそが、私たちの支援価値だと考えています。採用の仕組みが社内に根付けば、担当者が数字を読み、改善策を考え、求職者に自社の魅力を届けられるようになる。外部に依存するのではなく、自社の中に『採用する力』を育てる。それが、私たちのHR支援の根幹にある考えなのです」

「経営の窓」である人事の機能を最大化する

採用支援を行う企業は数多く存在する。媒体運用を代行する会社、母集団形成に強みを持つ会社、面接代行やスカウト運用を担う会社など、その支援内容はさまざまだ。そうした中でHAREが大切にしているのは、成果を出すことはもちろん、その成果を通じて企業の中に成功体験を残すことである。

「私たちがすべての業務を担うのではなく、共に汗をかくからこそ、クライアント側も成功体験を積むことができます。自分たちの発信に反応があり、学生や求職者が来てくれる。小さな成功を積み重ねると、採用活動が楽しくなっていきます。すると次第に、『うちって、いい会社なんじゃないか』という感覚が社内にも生まれてきます」

実際に、ある不動産会社では、新卒採用でターゲットとしている学生を採用できず悩んでいた。そこで、HAREと共に採用ブランディングの再構築やデジタルを活用した母集団形成を軸に、採用ペルソナの再設計や採用サイト・SNSのブランディング統一、合同説明会への動員施策などを実施したところ、エントリー数が前年の101名から400名に増加、総エントリー数は導入前年比800%を達成した。

別の住宅設備機器を扱う企業では、新卒採用の大部分をエージェントに依存し、自社にノウハウが蓄積されない体制が課題となっていたが、HAREの支援のもと自社公募に切り替え、母集団が前年比750%にまで拡大、エージェント依存からの脱却を実現した。

「いずれのケースも、採用業務がうまく回り出したことでクライアントの中に『自分たちにもできる』という手応えが生まれ、『採用活動が楽しくなった』と言っていただきました。採用活動を通じて自社の魅力を言語化し、外部に伝えていく過程で、既存社員も自社の価値を再認識するようになる。知名度がないから応募が来ない、地方企業だから優秀な人材には選ばれない。そんな諦めの気持ちが払拭されているように感じました」

早川は、人事は「経営の窓」だと言う。人を集め、育て、組織を作る人事の仕事は、経営の意思を形にする仕事だからだ。そのためには、経営者と同じ思想、同じ戦略を持つ必要がある。

「こうした人事の機能を最大限に発揮させるため、クライアントと共に将来の組織図を描くこともあります。例えば、5年後にどの程度の売上を目指すのか。そのためには、どのような部署が必要で、どんな人材を、いつ、どの順番で採用すべきか。事業の未来から逆算して、組織のあり方を考えていく。未来の組織図を描くことで、経営者にも人事担当者にも当事者意識が生まれます」 

日本中の“やれる”を創る。採用を入口に、辞める理由のない会社へ

早川は、新卒で東証プライム企業に入社。事業会社で事業責任者を務めた後、人事部長として新卒採用や評価制度の設計など、人事領域全般に携わった。さらに、新規事業会社の取締役に就任し、事業立ち上げにも参画。新規事業は順調に成長し、早川自身も「人生をかけていた」という。

「当時、起業するつもりはまったくありませんでした。前職では事業会社で結果を出し、人事部長を経験し、新規事業もうまくいっていた。その先には、その会社で社長を務めることや、ホールディングス側の役員を担う未来も見えていました。もちろん、会社への不満もありません」

安定した環境も、共に働くメンバーへの愛着もある。将来も約束されている。早川にとって前職は、決して離れたい場所ではなかった。それでも、事業会社で採用や人事、事業運営に向き合う中で、早川は会社の成長には「人」と「組織」の力が欠かせないことを実感してきた。経営の意思や現場の声、人事担当者の苦悩、働く人の想い。それらをつなぎながら、組織を前に進めることに、自分自身の役割を見いだしていった。

「事業会社の中で採用を回してきたからこそ、社内で何が起こるのかは肌感覚として分かります。経営からも現場からもいろいろな声が上がる中で、どう調整するか。どう現場を巻き込むのか。そうした部分も含めて、クライアントと共に考えるようにしています」

HAREでは、「日本中の“やれる”を創る。辞める理由のない会社を創る」を経営理念に掲げる。採用に苦戦している企業の中には、自社に魅力がないと思い込んでいるケースも少なくない。だが実際には、顧客から選ばれてきた理由があり、社員が積み重ねてきた仕事があり、地域や業界の中で果たしている役割がある。クライアントがその魅力に気付き、自信を持ってほしいという想いが、事業の根幹にある。

「辞める理由のない会社を創る」にも、早川の経験が重なる。人が辞めるかどうかは、最終的には個人の判断だ。一方で会社としては、辞める理由を減らす努力をし続ける必要がある。評価制度が分からない。入社前に聞いていた話と違う。自分の成長が見えない。会社の方向性が伝わってこない。こうした違和感が積み重なると、人は組織を離れていく。だからこそ、採用の入口だけでなく、入社後のオンボーディング、評価、育成、理念浸透まで含めて整えていく必要があると、早川は考える。

応募が来ない、内定承諾が得られない、早期離職が止まらない。こうした課題の奥には、自社の魅力の言語化不足や、社内体制の不整備、経営と現場の認識のずれが潜んでいる。採用を整えることは、組織そのものを整えることにもつながっていくのだ。

採用から人事全体へ。未来を共に描くパートナーでありたい

HAREでは今後、採用支援を主軸にしながら、新入社員教育やキャリア設計、階層別研修、評価制度など、会社の未来像に合わせた人事全体にまたがる課題解決を支援したいと考えている。さらには、クライアントが人材を採用し、育て、定着させるためには、事業として売上を生み出し、投資できる組織を形成することも欠かせない。そのために、マーケティング支援にも着手し始めている。

「事業拡大に向けて、現在は社内にある知見や経験を仕組みに落とし込み、パッケージを作るフェーズに入っています。その一環として、大学教授と連携するなどして教育プログラムの開発にも取り組んでいて、外部顧問の知見を取り入れながら、実務の中で検証し、支援の型を少しずつ磨いている最中です」

同社の支援先には、九州、北陸、東海、北海道など、地方企業も多い。なかには、創業50年以上の歴史を持つ会社も少なくない。優れた商品やサービスを持ち、地域経済を支えているそうした企業が、人材不足によって将来が閉ざされてしまう可能性もある。

「こうした企業は『日本の宝』です。けれども、人がいなくなれば、どれだけ良い事業でも続けられなくなってしまう。それはもったいないですよね。地域に根ざした企業が、人と組織の力で事業を続けていける状態を作ることも、私たちのミッションです」

そして、HARE自身の成長構想も掲げる。2035年までに日本を代表するサービスを作り、世界に届けることを目標としている。日本の未来を見据えた時、国内市場だけに閉じない事業づくりが必要だと考えているからだ。

「今はその種まきをしているところです。乗り越えるべき山はたくさんありますが、そのために、当社のミッション、ビジョンに共感し、お客様のために妥協しない人、素直で誠実な仲間を迎えたいと思っています。クライアントをリスペクトして、本気でその魅力を追求し、一緒に汗を流しながら前に進む。お客様にとってそういうパートナーでありたいですね」

Profile 

新卒でアイ・ケイ・ケイHD株式会社に入社後、地方都市における新規立ち上げ責任者として従事。その後営業責任者として全店を管掌。人事戦略領域に転じ、新卒採用、社内大学設立、評価制度設計、科学的配置導入など、事業成長を支えるHRの基盤づくりを推進。新卒人気企業ランキング業界10年連続1位の採用体制構築にも関与し、採用ブランディングと組織開発の両面で実績を積む。2022年には新規事業会社の取締役に就任し、3期目で営業利益2億円の達成に貢献。現在は、採用・組織開発・デジタルマーケティングをかけ合わせ、経営課題に直結する人材戦略の設計から実行支援までを一気通貫で担い、企業の持続的な成長を支援している。 

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